RPAユーザーコミュニティ「RPACommunity」のイベントレポート連載。WinActorユーザーが悩み・苦労するバージョンアップ問題について、対応方法や注意点を紹介します。
目次
はじめに
WinActor Talk 概要
このレポートでは、2021年7月30日に行われた「WinActor Talk~バージョンアップを極める~」の様子をお伝えします。今回のイベントでは「バージョンアップのコツ」について紹介しました。主催のかわっちさん、らむださんのユーザートークをはじめ、CTCエスピー 清水さんやNTTアドバンステクノロジ 竹野さんにも登壇いただきました。
ユーザートーク:バージョンアップのオススメ
まずは、ユーザートーク。WinActor Talk 支部主催のかわっちさんと、かわっちさんが作成したRPAの妖精 勝 温子さんが「バージョンアップのオススメ」について紹介しました。
スピーカー:(左)かわっちさん、(右)勝 温子さん
温子さんが考えるバージョンアップをするときのオススメ手順は次の4ステップです。
①バージョンアップの情報を取得する
②バージョンアップ内容を確認する
③新バージョンを手に入れる
④取り敢えず触る
このWinActorバージョンアップの情報はNTTアドバンステクノロジ(以下:NTT-AT)のサイトやリリースノートで確認できます。検証にはインストールレス版を使用することをオススメします。
バージョンアップすると、新機能が追加されるので、今まで以上に幅広い自動化を実現できます。
最後に温子さんからこんな質問がありました。
「バージョンアップってどのタイミングでやるべきしょうか?バージョンが出たら早めにすべき?慎重にすべき?」
かわっちさんは、マイナーバージョンアップの場合は新機能の追加がメインなため、バージョンアップしても既存のロボットが動かなくなるということもないので、早めのバージョンアップをオススメしています。
一方、らむださんは過去のバージョンアップで動かなくなった経験があるため、慎重派とのこと。実際にどこが変更してどんな対策がされたかをしっかりと確認します。大きな変更がなければバージョンアップをスキップすることもあります。
開発元であるNTT-AT 竹野さんからは、「意図があってバージョンアップしています。その意図はリリースノートに全て書いているので、こちらをぜひ読んでいただきたい」とのことでした。
WinActor バージョンアップセミナー
次に、WinActor 1次代理店であるCTCエスピー株式会社 清水 直さんに登壇いただきました。
清水さんは、プリセールスからベンダーリレーション、ロボット開発支援など全てを担当されています。そのため、エンドユーザーの要望や意見をベンダーへ直接フィードバックできるのが強みであるとのこと。
現在販売中(2021年7月時点)のバージョンは以下です。
・WinActor Ver7.2.1.1(.NETベース)
・WinActor Ver6.3.1(Javaベース)
※Ver7.0は2020年1月にリリースされたもので、順次バージョンアップを継続中。
実行プログラムの大きな変化により、運用中のロボット(シナリオ)の移行が必要になるケースが出てきており、そこで悩むユーザーも多いです。ここでは、バージョンアップ時の注意点やメリットを紹介します。
実行環境は、ミドルクラス以上のPCスペックがオススメです。詳細は下図を参照ください。
特に問合せの多いライセンス周りですが、Ver.6 と同一マシンにインストールすることが可能であったり、過去バージョンのライセンスを引き継ぐことができます。
Ver.7 にバージョンアップし、大きな問題もなく快適に使えているユーザーがいる一方、改修が必要となり大変な思いをしたユーザーもいます。改修が必要になった理由として「実行速度の高速化による操作対象とのタイミングのズレ」が主な原因として挙げられます。
他にも、エミュレーションの座標指定クリックの位置の微妙なズレ、変数の小数点対応、正規表現の変更(Java⇒.NET)が原因となっていることもあります。
また、一部ライブラリの変更が必要なものもあります。詳細は、各バージョンライブラリ変更点の資料を確認してください。
ここまでみると、注意点や手間が多く面倒な作業に感じるかと思いますが、バージョンアップのメリットも沢山あります。
実行環境がJava から.NET に変わったことによって、Windows を活かした機能がより使い易くなりました。画面構造の見直しが入り、開発もしやすくなりました。実行速度が遅いと言われがちなWinActor でしたが、操作性向上と実行が高速化しました。
ここで、清水さんのお勧めポイントも紹介します。
WinActor 起動時のようこそ画面には、FAQサイトやマニュアルを開くことのできるリンクが追加され、ちょっと調べたい時にすぐにマニュアルを開いて確認することができ、とても便利です。
OCRマッチングでは、指定した文言から画像を特定できます。操作したいボタンや表示を文言で認識してクリックが可能です。
「画像マッチング」「輪郭マッチング」「OCRマッチング」とマッチング機能が多く、どの用途で使い分けるべきか迷っている方向けに、使い分けポイントを下図で紹介しています。
このレポートでは、一部を抜粋して紹介しています。詳細は、添付の資料やYouTube動画からご確認ください。
CTCエスピー 清水さん 資料
まとめ
最後はオンライン集合写真
RPACommunity WinActor Talk 集合写真
イベントの様子をひぐっちゃんがイラレコに描いてくれました!
イベント当日のツイートまとめ
こちらのツイートまとめで、イベント参加者のリアルなコメントも併せてお楽しみください。
動画でも学べます
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