今回は、RPACommunity で開催したRPA勉強会「RPA勉強会!RPAの前に業務可視化・業務改善を学ぶ!」の様子をお届けします。
目次
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はじめに
RPAの前に業務可視化・業務改善を学ぶ! 概要
完全なユーザー主体コミュニティ RPACommunityが主催する特別会!
今回は、RPACommunityの4月度スポンサー企業 PLAY株式会社の与田明さんと、Amazonの書籍「中小企業経営」カテゴリ1位にランクインした「業務改善の問題地図」の著者 元山文菜さんに登壇していただき、業務可視化と業務改善について学ぶイベントです。2021年4月26日(月)にオンラインで開催しました。
業務改善セミナー
<登壇者:株式会社リビカル 代表 元山 文菜さん>
「業務可視化」のすすめかた
最近、業務可視化が非常に大事だと言われはじめており、なぜ大事なのか4つのポイントで説明していただきました。
ポイント1:オフィスワークの業務特性とテレワークの導入
オフィスワークの業務特性上パソコンの中で業務をすることが多いので目には見えません。一昔前の製造業がビジネスの基本となっていた工場のような環境であれば“誰が何をしているのか”“ボトルネックはどこか”はわかりやすいが、個人でおこなうPCの作業はどこに無駄があるのがかわかりにくく、また業務とは肥大化する特性をもっており、悪気はなくても増えていく傾向になっています。よって常に見えるようにする必要があります。
更にテレワークが進んだため業務内容が見えづらく、適切な指導をすることができないため評価も曖昧になり、効率的にやった人よりも長時間働いた人が評価されてしまう傾向になります。
ポイント2:人材の多様化
人材獲得が難しい環境下で多様な働き方を進めていくと、意識合わせが難しくなり仕事の成果がバラバラになるおそれがあります。いままでの飲みニケーションで会社風土を理解・上司への忖度で仕事がまわっていた時代は終わっているので、業務を可視化して景色合わせをする必要があります。
ポイント3:労働時間の削減・生産性向上
働き方改革法案の施行、人口構造が変化していることもあり“生産性向上をしなければいけない”と共通認識として感じているが、効率化するにも目に見えていないものを効率化するのはそもそも無理があるのではないか。
ポイント4:業務のデジタル化推進
業務の問題点が見えないかぎり、どこをどうデジタル化を図るのか判断できないにもかかわらず、とりあえず業務ごとにSaaS導入をするとスパゲティーみたいに絡んでしまったり、RPA導入する前段のExcel処理を変更する必要があったりするので、導入前にも可視化する必要があります。
可視化して業務をデザインしてみる!
【ビジネスプロセスを構成する5つの要素】
業務(仕事)はIPO(3つの要素)で構成されており、業務の棚卸をする時は順にヒアリングしていきます。
- I(Input・情報)
- P(Process・処理)
- O (Output・成果物)
IPOがかさなり・ゴール(業務目的)・業務に関連するステークホルダー、この5つの構成でビジネスプロセスが成り立っています。
ビジネスプロセスを可視化するために、業務棚卸表・業務フロー図を作っていきます。ここでのポイントはしっかりIPOを意識することです。
業務棚卸表・業務フロー図を元に業務デザインを行う際一般的にECRSを使用します。
- E(Eliminate)廃止「仕事自体なくせない?」
- C(Combine)結合「作業を結合できない?」
- R(Rearrange)入替・代替「手順や担当を変えられない?」
- S(Simplify)単純化「もっと簡単にできない?」??ここでRPAやICTソリューションを検討する!
どのように進めるのか
可視化するのは共通理解として持てたが、プロジェクト体制を作り行動するにはどのように進めていくかが重要になります。まずBPR(業務変革)プロジェクト・業務改善活動があり、この二つの意味を全員で景色合わせする必要があります。現状のプロセスを変化させてしまうのは業務変革になるのでBPRプロジェクト、日々の気付きを少人数のメンバーで改善していくことは業務改善活動になります。ミーティングでBPRなのか業務改善なのか理解せずに話をしてしてしまうとスピード感が失われる可能性があります。
家のリフォームに例えると・・・
業務改善・・・日々の生活の中で不便を感じる箇所を直していく
業務変革・・・どんな暮らしがしたいのか考え、抜本的に見直し改修していく
その他いろんな進め方を説明していただいていますのでyoutubeでご確認ください。
業務可視化セミナー
<登壇者:PLAY株式会社 代表 与田 明さん>
与田さんには、業務可視化セミナーおよびプロセスマイニングセミナーで登壇いただきました。
業務改革の成功確率を爆上げする業務可視化
「業務可視化せず業務改革を進めるのは地図を持たず海を漂流するようなもの」と語る与田さんに業務可視化のメリットをお話していただきました。
業務可視化の3つのメリット
<1.業務のボトルネックがわかる>
As-Is(現状の姿)To-Be(あるべき姿)を描くことが必要であることをなんとなくわかっているけど、あるべき姿を描いて現状を見ていない場合があります。現状の姿とあるべき姿の間にあるボトルネックを正しく判断するために可視化が必要になります。
<2.業務改革の効果が出やすい業務を判断できる>
年間2000時間の業務を50%効率化し1000時間にするより、年間5000時間の業務を30%効率化し2000時間にした方が簡単であり効果が高い場合でも、可視化せずに行うと判断を誤る場合もあります。
<3.業務改革の効果を測定できる>
基本的に業務改革は一回やって終わりではないので、あるべき姿に向かってPDCAをまわし効果が出たのであればた場合は他部門に展開でき、担当者の成果も可視化されるので社内評価につながります。
業務可視化のアウトプット
業務可視化を行うフォーマットが3つに集約されます。
- 組織図:業務は必ず人に紐づいているので、まずは組織図が土台になります。
- 業務棚卸表:対象の部署でどのような業務が行われているか全て把握する必要があり、大分類・中分類・小分類といった3階層で業務の構造を明らかにします。
- 業務量調査表:業務が把握できたら、どの程度工数がかかっているかあきらかにしていきます。基本的に年間何時間でだしていきます。
アウトプットするための方法
上記の事をアウトプットするための方法として、業務ヒアリング、工数入力・プロセスマイニング(タスクマイニング)といったものがあります。
<業務ヒアリング>
業務担当者のアポイントをとりヒアリングしていきます。メリットは外部コンサルティングに頼らなければ予算がかからないことです。デメリットはヒアリング時間がかかり、人の主観が入りやすくなり正確性に欠ける部分があります。
<工数入力>
工数管理ツールなどを使い定期的に打ち込めば、業務ヒアリングより正確にデータを取得することができます。ただ業務担当者への負荷が大きくなります。
<プロセスマイニング(タスクマイニング)>
データを基に可視化を行っていくアプローチとなり、正確性も担保されます。ただヒアリングが必要ないというわけでなく、必要最小限にとどめることができます。ツールの利用になるのでそこに予算がかけれるかがポイントになります。
プロセスマイニングセミナー
RPAを最大限に活かす!?プロセスマイニング入門編
プロセスマイニングとは?
業務ログから業務を可視化し、業務改革を効果的に進める技術になり、守備範囲としては業務量の可視化、業務手順の可視化、(RPAなど)施策の効果測定になります。今までの業務改革における課題であった業務ヒアリングの工数、抜け漏れ等をプロセスマイニングによる業務可視化で解決することができます。
プロセスマイニングの種類
タスクマイニングとプロセスマイニングの二つになり、ログから業務を可視化するコンセプトは変わりませんが、アウトプットされる情報が違います。タスクマイニングは業務量の可視化であり、誰がどの業務をどれくらいやっているのか可視化させます。プロセスマイニングは業務手順の可視化になります。
プロセスマイニングの導入事例として日本で活用している事例が少ないのですが、RPAが盛りあがっているので業務可視化のニーズが期待され、日本でもプロセスマイニングを拡めるためにプロセスマイニングが学べるWEBメディアをリリースされました。
https://prolab.play-company.jp/
当日申込者数も335名と期待値の大きかったセミナーであり、質疑の中には社内で業務改善の提案をしても「売上にはインパクトがないから」とまだまだ利益の改善を売上に求めている会社も多く、どうしたらよいかなど気になるお話がたくさんありました。続きはYoutubeでご確認ください!
まとめ
最後はオンライン集合写真
RPA勉強会!RPAの前に業務可視化・業務改善を学ぶ!にご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。
イラレコ
イラレコ支部 ヤマダマナミさんとくみっきーがオンラインで描いてくれた「オンラインイラレコ」もご紹介します。
?こちらは ヤマダマナミさんのイラレコです。
こちらはくみっきーのイラレコです。
イベント当日のツイートまとめ
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