こんにちは。コミュニティプロデューサーMitz & コミュニティマネージャー Ayyです。
今回は私たちが運営しているRPACommunityの職種縛り支部「HR支部」のvol.2の様子をお届けします。
はじめに
RPACommunity主催 Mitz「コミュニティ&趣旨説明」
主催のMitz
RPACommunityの支部イベントで約5カ月ぶりのHR支部 vol.2を開催しました。
毎度お馴染みになりつつあるRPA Community主催のMitzより「なぜコミュニティで学ぶのか」や「RPAの本質」についてお話しました。曖昧でフェイクも混ざっているオンラインの情報ではなく、企業が開催する営業目線のイベントでもなく、オフラインでユーザー同士が意見を交わすからこそユーザーが本当に求めるリアルな情報を共有できるのがオフラインコミュニティです。
そして、「働き方改革」が謳われる現代においてRPAとは業務を効率化して働く人を幸せにする「手段」として活用していきたい。このことを一人でも多くの人に伝えたいと思い、このコミュニティを立ち上げました。
HR支部主催 藤澤専之介さん「HR?RPAの可能性 現在のHR領域におけるRPA活用状況」
RPALT HR支部主催 藤澤さん
HR支部主催の藤澤さんより、「なんでHRとRPAなの?」というお話。
人口が減少している昨今。2025年になると、583万人の人手不足になるそうです。なかでも、私たちが携わっている「情報通信・サービス業」も482万人もの人手不足に…!
HRで抱えている課題も「人」だけでは段々解決できなくなっています。しかし、HR業界では人が大好きで、パソコンを触ることはほとんどないという人も多く、人と話す面接等にばかり時間をかけてしまい作業ができていないなどなど、効率的でない場面も多々みられます。
そこで、RPAやITと掛け合わせることでHRの仕事も効率的にしたいと考えています。
藤澤さん スライド
前半の部
セッション:Automation Anywhere/塩入さん「RPAを活用した給与業務効率化デモ(通勤交通費チェック、年末調整提出書類チェック)」
Automation Anywhere 塩入さん
Automation AnywhereさんでRPAプログラムマネージャ 塩入さんのLT。
世界でみても生産性が低いといわれる日本。働き方改革をはじめとする色々な政策がなされていますが、その裏で大変な思いをしている人事の方も沢山います。例えば、多大なチェック業務の増加や関連する対象者への連絡業務の増加など、人事の手作業が増加してしまっているのです。
そこで、そんな手作業の軽減になりそうな例としてAutomation Anywhereを利用した「年末調整業務」を想定したデモをご紹介していただきました。
年末調整のPDFファイルを確認し、社員の提出可否をチェックしていくというロボット。ファイルをチェックをして、Excelで管理していくという単純作業ですが、提出書類の数は1000人分。手作業で行うと、意外と時間がかかってしまいますよね。ちなみに、ロボット作成時間はExcelのマクロができるレベルの人だと3時間で作れるそうです。
更に、年末調整の未提出者には督促メールを送信するロボットも作れば、年末調整業務は全て自動化することができてしまいます。
他にも、通勤交通費の申請金額が適正かを確認する承認ワークフローロボットのデモ紹介もあり、とても実用的なお話でした。
塩入さん スライド
会場スポンサー:SHIFT/中園 拓也さん「年間800人のエンジニアを採用する会社のHRとは」
会場スポンサー SHIFT 中園さん
今回の会場スポンサー SHIFTさん。ソフトウェアテストで有名ですが、RPAの取組みもされています。
なんと年間採用人数は800人!そんな人事企画グループの中園さん、究極な目標は「人事をなくしたい」
ポテンシャルの高い非IT人材の採用も実現できているSHIFTでは、RPA導入だけでなく動画面接など色々と工夫を凝らしています。
また、社員の個人属性&コミュニティデータを収集・分析。例えば、飲み会の頻度とメンタルの強さ・昇給の関係性などを独自に分析し、把握しています。ちなみに、飲み会の頻度が多い方は比較的メンタルの強い方が多いそうです。
他にもRPA技術者には検定を受けてもらうなど、人材育成にも力を入れているとのことでした。
中園さん スライド
後半の部
懇親会スポンサー:Mitz feat RPABANK「RちゃんのRPAニュース(From RPABANK)」
Twitterより RPABANKアカウント Rちゃんのご紹介
このイベントの懇親会スポンサーはRPABANKさん。
そこで、毎度お馴染みになりつつあるRPABANKのTwitterアカウント Rちゃんの紹介をしました。今回はHR支部ということで、過去1ヶ月間の「人事関連ネタ」のツイートを取り上げてもらいました。やはりRPAはHR業務と相性がいいのか、企業の事例だけではなく経済産業省での事例なども紹介されていました。
エンザントレイズ株式会社 / 江口 和志さん「業務効率化成功への取り組みとRPA」
江口さん
愛媛でRPA顧問をされている江口さん。
RPAに一番必要なものは「コンサル力」、何で解決するかではなくどう解決するかなのです。
例えば、EB(エレクトロニックバンキング)では、人が1件1件手入力している作業を自動化したいという要望がありました。そこで、振込作業は代行会社に任せ、データ作成のみを自動化しました。
また、システムが複数あり重複してしまっている手入力作業を自動化したいという要望には、基幹システムを見直すことで解決しました。
RPAは、あくまでも業務改善のためのツールの一つです。
人間にしかできないことに集中するための効率化であり、RPA導入が目標ではありません。RPAでの自動化にこだわらず、業務を見直しましょう。おすすめはシステムの統合から拡張までカバーできるERPです。RPAにあった設計をしていきましょう。
株式会社チュートリアル/ 神原 醇次さん「RPAによるHR業務活性化」
神原さん
チュートリアルの自社クラウド型RPA CS 神原さん。
3つの事例から考えるHR業務活性化についてお話していただきました。
戦略的な求人作成へシフトできるよう「1.求人PV数チェック」、スカウトメッセージの検証に注力することができるように「2.候補者探し」、求人情報の活用と提案ができるように「3.求人集計業務」を自動化することをおススメします!
これらの自動化に携わって思ったことは、HRの業務には大小関わらず自動化できる業務が多いということ。まずは小さなところから自動化していきましょう。
RPAベンダーさんなのに、この日は宣伝なしでHR関係の方々の悩みを解決したいという強い想いのこもったLTでした。
株式会社ガイアックス/岡本 和也さん「情シスがHR業務のRPAでできること」
岡本さん
管理部門という共通点をもつ、HRと情シス。そんな情シスに「管理部門の人件費を下げたい」というミッションが。
そこで、HRメンバーにヒアリングしてみると、注力したいのは「いかに多くの人と接するか」。紙の個人情報をデータ化するという作業はフォーマットもバラバラで面倒くさい、一次メール返信の数が多すぎるなどの悩みが出てきました。
そこで、PythonやHinemos、Googleのアプリや機能などを駆使して自動化し業務効率を図りました。ここで注目すべき点は、「RPAツールが使われていない」こと。スクラッチ開発(既存のツールを使用せず、ゼロからの開発)で解決できることもあるので、一度情シスに相談してみるのも一つの手です。
岡本さんのRPA活用のポイントは3つ。「1.業務改善は情シスがリードしたほうがよい」「2.RPAは手段」「3.コストをかけないRPAもある」というお話でした。
セッション:コージェントラボ「Tegaki」/岩瀬さん「HR業務で使えるAI-OCR実演(仮)」
コージェントラボ 岩瀬さん
次回、8月にAI-OCR支部でも登壇していただくコージェントラボ「tegaki」の岩瀬さん。
課題1.繁忙期や月末の手入力業務が多い
課題2.紙で来る採用候補者の情報活用が限定的
課題3.RPAを導入したが紙業務を自動化できない
人事部の業務でこのような課題はありませんか?
また、業務自動化で本当にやりたいことはコストカットでしょうか?本当に考えるべきは、「顧客対応の質量の向上」「人材の有効活用」など価値創造時間の創出ですよね。AI-OCRを使えばRPAで自動化できる業務範囲が広がり、課題解決にも繋がります。
他にも、AI-OCRときいて気になるのは「精度99%って本当?」という点ですが、回答としては「やってみないとわからない」。時と場合によっては、100%が出ることも本当にあります。基本的には、乱雑な手書きも読み取り可能です。数字はほとんど間違えることはありませんが、カタカナの「ミ」と「シ」を読み違えるなど、判断しづらい文字は間違えることもあります。
デモ結果もお見せいただき、良いところだけでなく間違って補正している点も赤裸々にお話していただきました。
コージェントラボ 岩瀬さん スライド
セッション:NTTアドバンステクノロジー「WinActor」/堀野さん「人を育てる! WinActor×タレントマネジメント」
WinActor 堀野さん
タレントマネジメント推進室に勤めた経験もお持ちという堀野さん。ちなみに、タレントマネジメントとは、人材がどのようなスキルや能力(タレント)を持っているのかを把握し、そのパフォーマンスを最大化するために戦略的な人材配置や教育などの取り組み行う事です。
人事部の課題は、人的資源の正しい把握、事業戦略に基づく人材の適正配置、配置した人材が最大のパフォーマンスを発揮できる環境/教育の整備、パフォーマンスに対する適正な評価の4つ。そして、「タレントを十分に発揮するための環境整備と成長機会の提供」がタレントマネジメント推進室のミッションでした。
社員のタレント情報の蓄積と活用のために「タレントマネジメントシステム」を利用。このタレントマネジメントシステムへの資格情報システムからの移行処理、人事管理システムからの日次処理、HRM(目標管理)システムの月次処理などのシステム移行と日々のバッチ処理にWinActorを活用し、単純作業を自動化していました。
このようなバックエンド業務は、業務効率化でアウトソーシングされてしまうと、それを担う人材は不要になってしまうと感じかもしれません。WinActorは業務担当者がシナリオを作成することができますので、自分自身が業務効率化の担い手となり、シナリオライターとしての新たなキャリアを築くことができます。
WinActorは「人を活かすRPA」。検定試験やセミナーなど、スキルアップ支援も用意されているので是非活用してみてください。
WinActor 堀野さん スライド
まとめ
最後はみんなで集合写真
職種縛りの「RPACommunity HR vol.2」、初回に引き続き本当に大盛況でした!皆さんありがとうございました!!
?Ayy :今回は、たくさんのパワーワード炸裂だったね!HR支部なのに、SHIFTさんの「人事をなくしたい」っていうのは印象的だったな!その他にも、RPAツールを使わない自動化の話も多くてRPACommunityの想いに近い話も沢山聞くことができて嬉しかったな。
Mitz:うん、RPACommunityの想いと一致する登壇が多かったね。常日頃から言っている「RPAツールを使う事だけがRPA化じゃない。」「RPAツールの使用は目的じゃなく手段の一つ。」っていう大切なことがみんなで共有できた本当に貴重なイベントだったね。
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