今回は、RPACommunity で開催した RPALT本体 vol.23 ~オートメーション・エニウェア特別回~の様子をお届けします。
目次
はじめに
RPALT vol.23 概要
全国に支部を展開しているRPACommunityの中で本体と呼ばれる東京回。vol.23は2020年7月17日(金)にオンライン開催しました。
今回はRPAツール「Automation Anywhere」の書籍を出版した日経BPさんをスポンサーとした「オートメーション・エニウェア特別回」でした。
希望者には、条件付きの抽選での「Automation Anywhere A2019シリーズではじめるRPA超入門」のプレゼント企画もありました。
参加者申し込み時アンケートの結果もこちらに共有します。オートメーション・エニウェア特別回ということもあってか、一番好きなITツールはやはり「Automation Anywhere」がトップになっています。
よく見ると「AutomationAnywhere」「AA」などの記述をしている方もいらっしゃるので、表記の違いをあわせるとより沢山の人が「Automation Anywhere」と回答していることが分かります。
参加者ライトニングトーク
登壇者
・コニカミノルタジャパン 武藤さん / ユーザー企業が語るAutomation Anywhereを使いこなすための3つの勘所
・(公開NG)中川さん / ユーザーが声を上げてベンダーを動かしたお話
・ぷんちゃん / 人生を変えたAutomation Anywhere
発表内容
コニカミノルタジャパン 武藤さんより、経営者と現場の板挟みになりながらもRPA推進していく中で得た「3つの勘所」についてお話いただきました。
3つの勘所とは、「スキル」「発想の転換(いい意味で)」「諦め(いい意味で)」です。
まず「スキル」。マウスを利用しないオペレーションの方法(ショートカット等)が分からなかったり、自分がどんな操作をしているのか形式知化できなかったりと、ロボットを作りたくてもなかなかロボット作成に落とし込めないという問題がありました。これらは、ほんの10数個のコマンドを知ることで解決することも多いため、情報を得てスキルをつけておくことが大切です。
次に「発想」。例えば「システムにログインする」という処理1つとっても、キーボード操作やマウス操作など、複数の手段があります。どの手段が最適なのか考える発想力が必要です。
最後に「諦め」。ほとんど起こらない処理の自動化に永遠に悩んでいたり、100%安定化稼働Botを求めるが故、ロボット作成が止まってしまうことがあります。2:8の法則とRPAの捉え方を意識し、諦めるものは潔く諦めましょう。
育ったRPA君(ここでは、「Automation Anywhere」のこと)の出来が悪いのは、「育成者」or「RPA君自身」どちらのせいでしょうか。一概にRPA君が悪いとはいえないのではないでしょうか。
ツールの成長とともに自分の教え方(作り方)も見直していくことが使いこなすコツです。
ぷんちゃんからは、「人生を変えたAutomation Anywhere」LT。
2018年のある日、当時人事部だったぷんちゃんのもとに「社内でRPAプロジェクトが立ち上がり、うちの部にも協力要請が来てます」という知らせがきました。そこで早速、社内で5人だけが受けられるというベンダーさんによる研修に立候補しました。
2018年5月31日には、初めてのBotである「勤怠集計bot」が完成。3時間かかっていた「本社約150名の出勤簿Excelを給与計算ソフトの入力フォームに合わせた集計表にする」という作業を、たった20分で正確にこなす様に「カッコイイ!」と感動しました。
その後、ユーザー会に出席し、懇親会にて自社の推進状況を初めてお話しました。その時の表情が生き生きしているといわれ、RPAに携わる仕事をしたいと強く思いました。「RPA専任になりたい。異動させてください。」と直談判し、RPAプロジェクト事務局である経営企画部へ異動、RPA推進リーダーの座を勝ち取りました。自社の事例はAutomation Anywhereのホームページにも掲載されています。
現在、RPA幻滅期と言われていますが、社内での期待は大きく大忙しです。今は「A2019」に私の人生と弊社の運命がかかっている時です。現在使用しているver.10からA2019への移行を成功させIQ Botを導入できた暁には、また事例を発表したいと思います。
セミナートーク
登壇者
・オートメーション・エニウェア 米田 真一さん / Automation Anywhereのビジョンと目指すところ
・SB C&S 池田 康一さん / 今更聞けないAutomation Anywhere A2019と最近のロードマップ
・「RPA超入門」著者 小笠原 種高さん / 敵か味方か謎のRPA+AA入門本 書籍紹介
発表内容
オートメーション・エニウェア・ジャパン 米田さんより「Automation Anywhere」ってなに?という視点からお話いただきました。
現在、4000社以上のお客様がいて、210万以上のデジタルワーカー(≒ロボット)を展開しています。
スケールするしくみのあるサーバ型RPAで、RPA as a Serviceとしてすぐに開始可能です。デジタルワーカーの日本語マーケットプレイス「Bot Store」から部品を利用することで、ノーコードで簡単作成できます。
「画面操作をするだけであれば、Excelや無料ツールでもできる」という意見があります。もちろん、それも正論です。
しかし「わかりやすい」かつ「誰でも使える」という期待値も含むのが、RPA。
単純に動かすだけでなく、現場でもノーコードで簡単に、数日で自動化そして内製化できること。全組織展開のため、管理・セキュリティ機能があること。24時間稼働できるスケジュール・リモート管理機能と信頼性があること。これが平常時も緊急時にも使いこなせるRPAツールです。
色んなクラウドサービスや社内ツールがありますが、「Automation Anywhere」だとそれらをプラグインでつないでEnd to Endの自動化を実現できます。
最近では、日本語対応も充実しています。開発チームが東京オフィスに設置されたり、日本のデータセンターからEnterprise A2019 クラウドバージョンを提供していたりと、日本市場もどんどん熱くなっています。今後もどうぞご期待ください。
AA de Knightの主催もされているSB C&S 池田さんより、今さら聞けない「Automation Anywhere A2019」と「ロードマップ」についてお話いただきました。
Automation Anywhere A2019とは、一言で表すと「Webベースの開発IFをもつSaaS版(オンプレもある)RPA」です。実際の「A2019」画面を見せながら新しい機能のポイントも紹介されましたので、気になる方はYoutubeもあわせてご覧ください。
毎月のようにアップデートが走っていて、常に進化し続けている「Automation Anywhere」。特別にオートメーション・エニウェアさんに教えていただいた「今後の展望」を、コミュニティ参加者のみに紹介される場面もありました。
「Tips紹介」では、開発、運用、開発効率化、ナレッジ習得の4つに分けて紹介。
開発「Type casting」
「A2019」で型が厳格に定義されたことで、扱いに手間が発生することも…。そこでType castingを使うと、数値型を文字型に変換など型変換を直接してくれます。
運用「Bot agentの自動アップデート」
Cloud環境を利用していてControl Roomのアップデートが走ると、Runner環境個別アップデートに対応する必要がありましたが、そちらも自動アップデートされるようになりました。
開発効率化「Bot Storeの活用」
基本機能で実現できない場合、Bot Storeを確認して部品の有効活用しましょう。日本語化されて利用しやすくなったので、覗いてみてください。
ナレッジ習得「Botのセキュリティ検証」
4つのセキュリティレベルを定めているため、「Level3以上のBotは使ってもいい」などの判断基準にしてみてください。
ここまで聞いてみて興味をもった方やまず何から始めればいいの?という方はCommunity Editionから触ってみましょう。
今回コミュニティのプレゼントにもなった「Automation AnywhereではじめるRPA超入門」の著者 小笠原穂高さんにもお話いただきました。
さて、「RPAは敵なのか?味方なのか?」RPAなんて要らない、使えないという人もいます。一方、RPAは味方ですという人もいます。
なぜこんなにも評価に違いが出てしまうのでしょうか。それは「RPAの見え方の違い」「RPAの使い方の違い」という二つのズレがあるからです。
「見え方の違い」
「マクロで十分でしょ。システム発注したほうが早い」という意見があります。早いなら、そうすればいい。ですが、それにかかるコストも踏まえどちらがベターか考えましょう。RPAと両立して活用できませんか。RPAツールを導入したら、全てRPAツールに置き換えないといけないと何か勘違いしていませんか。
クラウドサービスだと進化も早いため、最新版をつかった人と二年前に使っただけの人では、見え方が違うことがあります。ちゃんと使ったこともないのに、イメージだけで話している人もいます。情報が間違っていないか確認しましょう。
「使い方の違い」
「導入する組織の範囲」「かけるお金の範囲」「影響を及ぼす業務の範囲」等、どの範囲で使うつもりですか。自分とRPAの距離を測り、自分にとってRPAとは?RPAに何を期待するのか?を考えてみると、敵か味方か、評価のズレも埋まってくるのではないでしょうか。
最後には、本の紹介もありました。
この本は、監修者(米田さん)の血と汗と涙が詰まっています。また、エンジニアの皆さんが書いた「達人コラム」もあります。孤独になりがちなRPA担当者に、自分と同じように「Automation Anywhere」に取り組んでいる仲間がいると感じてほしいという想いでこのコラム欄を設けました。
こちらの本もぜひチェックしてみてください。
まとめ
最後はみんなで集合写真
RPALT本体 vol.23 ~オートメーション・エニウェア特別回~にご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました!!
イベント最後に実施したwebアンケートでは、Automation Anywhereへの期待値が上がったという意見も多数!
こちらは、イラレコ支部のひぐっちゃんがオンラインで描き上げてくれたイラレコです。内容を抑えていることはもちろん、タイトルの飾り文字がひと手間かかっていて可愛いですね。
イベントの様子はYouTubeにもアップされています。今後もコミュニティの様子を見たい、イベント内容の復習がしたいという方は、是非チャンネル登録もよろしくお願いします。また、今回の配信担当は、RPACommunityブロードキャスト支部 おーいさんです。いつもありがとうございます。
株式会社コミュカルが運営するコミュニティ・イベントマガジンです。
色々なコミュニティの魅力やイベントのレポートを届けていきます。
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