今回お届けするのは、RPACommunityで開催した 関西スペシャル ~業務分析・プロセスマイニング~のイベントレポートです。
目次
はじめに
RPALT関西スペシャル ~業務分析・プロセスマイニング~ 概要
RPALT関西スペシャル ~業務分析・プロセスマイニング~は、2020年6月17日(水)にオンラインで開催。セミナー登壇は、泉大津市 川崎さん、業務分析コンサルタント 松尾さんでした。
今回のイベントは、京都・大阪・神戸支部が合同で企画した「業務分析」と「プロセスマイニング」について学ぶスペシャル回。RPACommunity関西運営メンバーからの「RPAツールの導入にも効果的な業務分析やプロセスマイニングに興味がある!」「話を聞いてみたい!」という熱い声から企画されたイベントです。
まずはMitzのオープニングトークから開始。RPACommunityについての説明や申込みアンケートより参加者属性等もBIレポートで紹介。
大阪支部主催のもりしーさんからは、今回の関西スペシャルメンバーを代表して、オープニングの挨拶をしていただきました。
イベント開始の30分前からオンラインミーティングルームを開放したのですが、開始までのフリートークは関西スペシャルということで、もりしーさんの「5分で関西人になれるセミナー」が催されました。
参加者ライトニングトーク
登壇者の皆様
・かわっちさん/コロナに負けるな!新業務ヒアリング方法!
・Ryu.Cyberさん/自動化にむけた業務分析の自動化
・廣瀬さん/RPA導入時における業務分析
・与田さん/Nobody Knows~業務整理の無い自動化にドロップキック~
発表スライド
かわっちさんのLTは、with コロナ時代の新業務ヒアリング方法について。今までは対面でのヒアリングが一般的でしたが、このご時世対面は危険です。そこで、ZoomやTeamsを使いお互いが離れたところにいても、画面共有しながらヒアリングを実施します。録画機能もあるので後から見直すこともでき、メモの取りこぼし予防や復習にも効果的です。ZoomやTeamsがない場合は、Windowsの標準機能「クイックアシスト」を使って画面共有することもできます。色々な方法があるので自分に合った方法を見つけて、コロナ前よりも効率的な業務ヒアリングを実現させましょう。
Ryuさんから、「自動化の自動化」についてのLT。業務分析について調べる中で、業務分析の自動化も進んでいると分かってきました。今回のテーマでもあるプロセスマイニングツールを使って、自動化の効果が高いところを自動測定したり、仕様書を自動生成できたりします。現在どこまでできるのか深堀りしたところについては、企業さんの記事で紹介されていたりもします。近い将来は、RPAシナリオやワークフローも自動生成できるようになるのではないかと期待しています。また、それらが新しく出てきたときに乗り遅れないよう今やるべきことを進めつつ勉強も続けていきましょう。
廣瀬さんから、RPA導入後にイマイチ効果が出ていないとお悩みの方へ業務分析の大切さを伝えるLTです。
RPA導入プロジェクトにご自身が携わり、一番重要だと感じたのが「ヒアリングによる業務プロセスまとめ作業」「現状プロセス作成&他社との差異比較」でした。その際、業務のキーマンとの接触を図ると手戻りのリスク軽減になる。80点を目標にスピード感を重視する。といったことがコツであると感じました。業務分析は、現状の課題点を洗い出すヒアリングに注力する必要があります。様々なアプローチで、業務分析を実施する方向にもっていきましょう。
与田さんからは「業務整理の無い自動化」についてのLT。業務整理無く自動化をしてしまうと、業務又はロボットがブラックボックス化してしまいます。それだけではなく、費用対効果が図りづらく、RPA(自動化)への評価も難しくなってしまいます。業務把握から全て実施するのは時間も労力もかかり大変なため、プロセスマイニングを活用しましょう。ヒアリング無しでログベースで業務を完璧に把握できます。ただ、すぐにツールに飛びつかず、ExcelとZoom等を使い人手で業務分析をしてみて、効果を感じられそうであればプロセスマイニングツールの導入も検討してみてください。
セミナー
登壇者の皆様
・大阪府 泉大津市 川﨑さん / 泉大津市の事例紹介
・業務分析コンサルタント 松尾さん / プロセスマイニング-DX推進の必須ツール
発表内容
泉大津市 川崎さんより、泉大津市で取り組まれた業務改革推進プロジェクトから、RPAを中心にお話いただきました。
人口が減り、職員も減っていく一方、行政への需要が複雑化・多様化することが予想され、業務量が増大する可能性が出てきています。
現在の業務を効率化するため、まずは「ボトルネックがどこにあるのか」業務の棚卸し・可視化を実施。調査対象は費用面や人的リソースの面から、業務過多であると仮説を立てた全12課です。
業務の棚卸し情報をもとに「入力もとの情報がデータである業務」を抽出し、人事課の「給与管理業務」と税務課の「軽自動車税賦課業務」の2業務で実証実験を実施。給与管理業務では約75%、軽自動車税賦課業務では約19%の業務量削減効果となりました。RPA導入に際して業務フローを詳細に把握するため、フロー全体の見直しになったという点もメリットでした。
しかし、次のような課題もあります。一時的ではありますが新たな業務が発生することになるため、実際の業務を行っている課からの協力が得られにくい。コストがかかるため、財政部門に費用対効果についてどのように説得し理解してもらうか等の面で苦労しました。また、内製化するように動いていますが「誰がシナリオを作るのか問題」も浮上します。
このような課題もありますが、効果も認められているため、今後も少しずつ取り組みを進めていきます。今後の予定としては、実証実験は毎年度2業務程度で実施し、シナリオ作成の内製化は複数年かけて実現していきます。
詳細については、資料が展開されているため興味のある方はそちらもご覧ください。コロナの影響もあり、なかなか思うように進めないという現状もありますが、今後も職員がコア業務へ注力できるよう業務改革を推進していきたいと思います。
プロセスマイニングのプロ 松尾さんよりプロセスマイニングについてお話いただきました。
プロセスマイニングとは、分析手法の一つ。「イベントログ」を分析データとし、業務プロセスを可視化するものになります。「業務プロセス改善」を目的として行うものなので、業務改善をしたいという思いがないとプロセスマイニングが始まることはありません。
最近では、プロセスマイニングと似た言葉で、タスクマイニングという言葉が出てきました。プロセスマイニングはマクロなアプローチ、タスクマイニングはミクロなアプローチ、例えば個人のPC作業のような細かい作業を分析することをいいます。タスクマイニングで分析した内容は、そのままRPAへ落とし込むことができるので、RPAとの親和性はこちらの方があります。
業務分析の従来手法は自己申告のようなヒアリングベースな為、主観的になってしまうことがありヌケ・モレが発生してしまうこともあります。そこで、プロセスマイニング手法を使うと、ログデータベースのため客観的に定量分析ができ、結果的に時間もコストも抑えた業務分析をすることができます。また、スタッフスキルのばらつきを発見し、要員配置を最適化できるといったメリットもあります。
イベントでは、celonisの画面を共有しながらのデモも披露していただき、プロセスマイニングについてたっぷりと学ぶことのできたセミナーでした。
まとめ
最後はみんなで集合写真
RPACommunity関西スペシャル にご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました!
品川さんイラレコ
こちらはイラレコ支部 ユーコさんのイラレコと品川さんのイラレコ。同じ話について書いていますが、お2人の個性が出ていてどちらも隅々までじっくり見てしまいますね。かなり集中力を使うので、お2人とも書き終えたときには、ぐったりと燃え尽きてしまったそうです。
RPACommunityのYouTubeチャンネルで動画も閲覧できます。今回配信担当はブロードキャスト支部 おーいさんでした。
皆さま、是非チャンネル登録お願い致します。
イベントにご協力いただいた皆さん、本当にありがとうございました。
株式会社コミュカルが運営するコミュニティ・イベントマガジンです。
色々なコミュニティの魅力やイベントのレポートを届けていきます。
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