日本最大のRPAユーザー主体コミュニティ、RPACommunity?
今回は、供養支部の記念すべき初回のイベントレポートです 。
目次
はじめに
RPALT 供養支部 vol.1 概要
RPACommunity 供養支部とは、RPA開発・運用にまつわる失敗にフォーカスし、その時の悔しい想いや悲しい想いを共有し、成仏させよう。といったイベントです。初回は2020年5月15日(金)にオンラインで開催しました。
厳かに開催された供養支部。まずはMitzよりRPACommunityについての説明からスタート。
参加者から回答いただいた事前アンケート結果も共有。不幸なロボ・システムとの出会いがあった参加者は全体の半数以上でした。自身の苦い経験を思い出しながら、参加された方も多かったのではないでしょうか。
こちら、各項目をクリックすると関連付いた他の数値も連動して表示されます。
運営メンバーの3人。木村さん、小路さんは現役の住職さんです。フクイさんは住職ではありませんが、供養支部の発起人として住職のお2人と共にイベント盛り上げに尽力いただいています。
参加者ライトニングトーク
登壇者
・はなっち!さん/成仏して!死屍累々のロボット達
・井上さん/仏にもたれゆきまする
・竹中さん/ロボ、グッバイ
・いわさきさん/ソラニン~あの日にもどれれば
・らむださん/彷徨う労没頭(サマヨウロボット)
・与田さん/夏草やロボットどもが夢のあと
・フクイさん/RPA導入の地獄絵図 供養編
発表内容
供養支部では、LTを「弔辞」として「失敗して悔しかった経験、悲しかった経験」を発表していただきます。LT後は、現役の住職お2人の有難い法話によって辛かった経験に成仏していただくといった流れになっています。
トップバッターを務めたのは、はなっちさん。事前に録画したビデオ登壇でした。
「今、頻繁に使用しているロボットは一体どれくらいありますか?」志をもち学習のため作成されたロボットやプロトタイプとして作成したロボット、本格運用され仕事をしているものなど様々なロボットがあると思います。この中で、実際に活躍しているのは「仕事用ロボット」がほとんどです。もう使われることはありませんが、愛着が湧きなかなかサヨナラできないこのロボットたちをこの場で成仏させてくださいというLTでした。
法話:慈永さん 新しいステップに向けて御魂は目指してきます。はなっちさんのPC奥深くに眠っているであろうロボット一体一体に向けて、「有難う」と一言感謝を述べてデリートをかけるのがよろしいのではないでしょうか。
「恵愛奧様 居士」という戒名をお持ちの井上さんのLT。世に生まれながらも出直しになった残念なロボたちへの鎮魂歌となる供養支部でお話していますが、誠に残念なことに、まだロボは一人も生まれていません。生まれる前の仕込みの時を過ごしており、そのための修行の場としてRPACommunityに参加しています。その中で学んだ「RPAが生まれるための5か条」も紹介。生まれたことには変わりありませんので、どうかご守護を承りますようにお願い申し上げます。南無!!というLTでした。
法話:小路さん まだ一台もロボットが生まれていないということでしたが、人間でいうとお腹の中にいる状況です。これから生まれるまでの産みの苦しみもあるでしょうが、コミュニティを通じて研鑽をしていけば必ずや良いロボットが生まれると思います。
自動化無しでは仕事がやっていけない生活をしてきたという竹中さん。
お客さんから「採用に係る情報の転記」「採用情報の取得・編集・システム登録」業務の自動化要望があったとのこと。その際に作成したロボットとのお別れストーリーを、人気ソング Official髭男dismの「Pretendar」を鎮魂歌にお届けしました。
「グッバイ、君の運命のヒトは僕じゃない 辛いけど否めない でも離れ難いのさ」(Official髭男dism「Pretendar」歌詞より引用)せっかく作ったロボット、お別れするのは切なくなってしまいます。ですが、どうやらこれは「執着」というそうです。この残り続けた執着を供養してくださいというお話でした。
法話:慈永さん 今のお話で私の心の中に最も浮かんできたのが、野村義男の「ザ・グッバイ」でした。また何故か「パチンコ店」の例も出され、慈永ワールドが炸裂し、参加者の多くが大爆笑に包まれた後、「諦めないことが大切です」と締めくくられました。
「旧い自分との別れ」をテーマにした劇中歌が流れる「ソラニン」をタイトルにしたいわさきさんのLT。動画での登壇でした。
ある日お客さんからきた自動化したい業務概要は、「インプットとなる住所をシステムで検索し、紐づいているユニークなコードを出力する」というものでした。これを聞いたときは「簡単そう」と思いましたが、蓋を開けてみると、「データのフォーマットはバラバラ。半角全角などの表記ゆれが多数。10個のシステムを介していた…」という難解な状況でした。そこで、よく使われる3つのシステムに絞って開発しましたが、結局ユニークなデータを出す作業は人の作業になってしまいました。更に残念なことに、このロボット今は使われていないとのこと。ぜひ、使われなくなったロボットの供養をお願いしますとのことでした。
法話:小路さん 「要件ちゃんと聞いてこいよ」と思うようなことはよくあります。しかし、今後の改善・成長につながる良い例で、失敗ではなかったのではないでしょうか。ロボット作成は、いわさきさん自身のスキルアップにも繋がります。今後より一層良いロボットを作れるようになることが、何よりもの供養になるでしょう。
らむださんのLTは、本当にあった「彷徨う、労没頭」。
製造業の会社で、工場からの生産・出荷数を集計する業務をロボットに任せていました。するとある日、自動作成されている集計ファイルが使われなくなっていました。調べてみると、前任の担当者から新任の担当者にRPAの業務が引き継がれておらず、同じ業務を新任の担当者が手作業で行っていたことが分かりました。その後の対策として、RPAの処理業務も自部門の業務として引継ぎをすることをルール化し、推進部門の方でも半期に1回は業務担当者を訪問、ロボットが使われているか確認をするようにしたとのことでした。
法話:慈永さん 今回のお話で一番心に残ったのは、「労没頭」(ロボット)の当て字です。例え使われなくなっても、来る日も来る日も業務効率化のために働いているRPAの意気込みに感謝をしましょう。そして、半年に1回は労没頭の棚卸しをするようにしましょう。
与田さんからはRPAブーム時のLT。
あるところにRPAに心奪われた企業があり、とにかくやってみようという勢いはありました。しかし、半年ほど過ぎると「拡大したいけど予算がおりない」「本業があるのでRPAが後回し」という状況になっていました。「RPA導入の目的を明確にし、目的達成のためのマイルストーンを決めておけばよかった」という反省点もありますが、今回このプロジェクトの供養をしてください。「合唱」というお話でした。
法話:小路さん RPAの失敗はロボットの動き云々より、人の問題によるものが多いですね。作られたロボットに罪はありません。そして、常に成長できるのが人間の良いところ。今回の件に関しても、このLTを一区切りとして心配なさらず次に進んでいってください。
元々プログラムにはありませんでしたが、供養支部主催フクイさんから「RPA導入の地獄絵図 供養編」として、以前好評だった「地獄絵図シリーズ」のLTもしていただきました。
まとめ
最後はみんなで集合写真
RPALT供養支部 vol.1 にご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました。
RPACommunityイラレコ支部のひぐっちゃんがオンラインで描いてくれた「オンラインイラレコ」もご紹介します。
イベントの休憩時間には、「いままでどんな工程で残念なこと・供養したい事象を経験しましたか?(複数選択可)」というアンケートも実施しました。業務把握や業務課題抽出などRPAを導入する最初のフェーズで課題に直面する方が多いようでした。
イベントの様子はYouTubeにもアップされています。今後もコミュニティの様子を見たい、イベント時の復習がしたいという方は、是非チャンネル登録もよろしくお願いします。
~おまけ~
供養支部ということで、始めと終わりに法話もいただきました。こちらの内容も少し紹介いたします。
法話:慈永さん
「ロボットを供養することに意味があるのか」という声も聞こえてきそうですが、万物は素粒子でできており、人間である人間でないに関わらず、たとえロボットであろうと供養をすることに意味があります。無念が残るロボットとしては、DXとしてRPAと連携予定だったツールが「Po死(ピーオーシー)」「PoC死(ポックシ)」してしまったものなどが挙げられます。DX検討の中で、RPAも「出口戦略」もそろそろしていかなければならない時が来たのではないでしょうか。
法話:小路さん
5月15日にイベントが開催されましたが、毎月15・30日は「布薩の日」といい、これまでの日々、自分が戒律に基づいて生活できたかどうかを振り返る日です。そう。偶然にも自分で自分の失敗を振り返るにはぴったりの日だったのです。また、失敗談というのはコミュニケーションの深度も深くなり、グッと距離が縮まるのでいいなぁと思いました。最後に、「無限に軌道修正させていただけるのが人生である」という善立寺先代の言葉をもって締めくくらせていただきます。
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